5月のある夜のことでした。雨の中を探していると小さな子猫を見つけました。子猫はびしょ濡れで震えていました。彼を呼ぶと、私は子猫を掬い上げ、タオルにくるんで胸に抱きました。子猫はとても冷たかったのです。

子猫を見た途端、彼は『ねぇ、その子猫うちで飼おうよ。』そう私に言ったのです。たしかに私もそうしたいと思いました。とりあえず子猫を乾かしたのですが、衰弱していたので動物病院へ連れて行きました。

獣医師の診察を受けると、子猫は栄養失調のために低血糖になっていて、とても危険な状態だといいます。子猫は入院することになりました。私も彼もどうしても気になってしまい、仕事を終えると子猫の様子を毎日見に行きました。3日後、子猫は獣医師が驚くほどの回復をみせ、ようやく退院することができました。『正直、助かるとは思わなかったんだよ。』獣医師はびっくりした様子でこう言ったのです。

自宅に戻った子猫は、日を追うごとに元気を取り戻していきました。私も彼も獣医師があんなに驚くとは思いませんでした。。彼は奇跡とまで言っていたのです。でも、私たちが思っていた以上に子猫はの状態は深刻だったということです。

動物病院の清算を済ませ、私はちょっとびっくりしました。子猫の治療、入院で私の1カ月分の給料が無くなってしまいました。でも、子猫が助かったのだからそれも仕方がありません。おかげで私と彼に家族が増えましたし、それだけの価値があると思いました。働けばまたお給料はもらえますから。

私たちは小猫をモーリーと呼ぶことにしました。モーリーは彼のお腹で寝るのがとても気に入ったようです。よほど気に入ったのか、お昼寝の時は彼のお腹でぐっすり眠ってしまいます。熟睡のあまり溶けてしまいそうです。

偶然の出会いでモーリーを救うことになった私たちでしたが、モーリーの登場は私たちの絆を深めてくれたようです。さらにモーリーが家族に加わったことで、私たちの間に笑顔が増えた気がします。モーリーの成長と共に私たちも家族として成長できるといいな・・・私はそう思って楽しみにしています。