5匹の子猫は全員の前脚が先天的に曲がった状態で生まれていました。しかし、それ以外健康上の問題は見つかっていませんでした。自宅に連れて帰った夜、私は子猫たちをお風呂に入れてきれいにしました。少しずつ活発になってきた子猫たちは順調に成長するものと思っていました。ところが。

数週間後、それは突然牙をむきました。5匹の子猫たちの全員が食欲を無くし、高熱のために反応しなくなる子も現れたのです。ただならぬものを感じた私は、すぐに子猫たちを動物救命救急センターへ連れて行きました。しかし獣医師たちの懸命の努力にもかかわらず、残念ながら4匹が亡くなってしまいました。そして、残った子猫も生存率は5~10%と告げられたのです。子猫たちは猫汎白血球減少症と診断されました。生後2か月未満の子猫にとって生存率の極めて低いウィルス性の感染症でした。

私にとって悪夢のような24時間でした。ただ1匹生き残ったリロの顔を、私は祈りながらさすっていました。『ママはここにいるわ。お願い、負けないで!』
私の祈りはリロに届いていました。24時間高熱に苦しんだリロは、奇跡的な回復をみせて3日間の激闘の末私たちのもとへ帰って来てくれたのです。

私の自宅に戻ったリロは食欲と体力を取り戻し、元気に遊び始めていました。リロのの前脚は兄弟と同じように先天性の発達不全で内側に向かって曲がっています。でも彼女にとってそれは問題ではないようです。リロは、私が一緒に暮らしてきた先輩猫たちと一緒に過し、おもちゃで遊び毎日を楽しめるようになっていました。

退院して2週間後、すっかり元気を取り戻したリロは、我が家の階段を駆け上がり家族を驚かせました。大きな戦いを制したリロのエネルギーはとどまることを知らないようです。そんなリロは私に鼻をこすりつけ、肩に上ってキスをするのが彼女のお気に入りの甘え方でした。やっぱり彼女は特別な猫です。

その年のクリスマス、私の親友タミ―がリロを家族として迎え入れました。タミ―の家族に囲まれてリロは元気に暮らしています。母猫に置き去りにされ、兄弟を失い、自ら生死の境を彷徨ったリロは、そんなことをみじんも感じさせないポジティブな人生を歩んでいます。私はリロという特別な子猫を保護してくれた方に感謝してもしきれません。リロが人生を勝ち取ったのも最初に保護してくれた方のおかげだと思っています。リロは新しい人生を着実に歩んでいます。