『放っておけば子猫は死んでしまうよ。私たちで世話をしてあげるのさ。』そう妻に言うと彼女も賛成してくれました。子猫は私の片手に乗ってしまうほどの小さな猫で衰弱した様子でした。私は子猫に食べ物を与え、その夜はベッドで一緒に眠りました。

次の日、自宅に向かった私たちは小猫を動物病院へ連れて行きました。車の中で、子猫は私の息子と一緒に眠っていました。獣医師の診察を受けると子猫は後ろ足の1本に小さなけがを負っていました。しかし幸いなことに子猫の健康に問題は見つかりませんでした。私たちは子猫をキリルと呼ぶことにしました。

自宅に戻ると、妻は私たちのベッドにキリルのための枕でできた階段を作りました。キリルは後ろ足の小さなけがのために自力でベッドに上れなかったのです。数日もすると、キリルは我が家と家族の中心にいるようになっていました。

はじめてのオモチャを気に入ったキリル。彼は我が家の中で一番の存在に君臨することを確信したようでした。小さなキリルは自信にあふれていました。

キリルのお昼寝はもっぱら日当たりのいい場所でした。
たっぷりの温かい日差しの中で夢を見るのが彼の日課でした。

キリルは成長するにつれ、家中にたくさんのお気に入りの場所を持つようになっていました。私のパソコンデスクもそのひとつ。しかし、彼の場合デスクの上ではなく身を隠せる狭い空間が気に入ったようでした。

暗闇の中で必死に助けを求めていた小さな子猫は、我が家の一員に加わり今も成長を続けています。私の妻はあまり猫に興味のある方ではなかったのですが、今ではキリルのいない人生を考えられないそうです。それは私たち家全員が同じこと、私たちにとってキリルは欠かせない存在になりました。