子猫たち兄弟を助けたのは、地元の団体で保護活動をしているボランティアの方でした。子猫は生後8週、かなり衰弱していました。保護してくれたボランティアの方の話では、子猫は彼らに完全に怯えていたそうです。施設に到着し獣医師の診察を待つ間、子猫は安心するどころか最大音量で威嚇し続けていました。

私は子猫の様子を見にに診察室を訪れ、彼と対面しました。子猫は周りのすべてを警戒し、大きな声で鳴いていました。それは診察室の外に届くほど大きな声でした。施設の中に子猫を脅かすものはなにもありませんが子猫の恐怖は収まらずずっと金切り声を上げ続けていました。

私は子猫を自宅でお世話することにしました。子猫はその後数日が経っても頑なに心を閉ざし、ご飯にさえ手を付けようとはしませんでした。
でも私には、愛情を知らずに生きてきた子猫が、本当は甘えたいのにどうしたらいいのか分からないでいる、そう見えました。

相変わらず子猫は誰もそばに近付くことを許しません。私は、子猫に辛抱強く向き合うことにしました。その日私は、小猫の側にご飯を置いて彼を見ていました。すると。子猫がご飯に口をつけ私の側に近寄ってきました。子猫が勇気を出して殻を破った瞬間でした。そのときから子猫は私に心を開き甘えるようになってくれたのです。

私達に信頼を置き始めた子猫は、私や家族と遊ぶようになりました。オモチャを追いかけてソファに飛び上がったり、私たちの膝の上で無防備にお腹を見せてくれるようになりました。それまで固い殻の中に隠れていた甘えん坊の一面が一気に噴き出してきたようでした。

時期が来ました。子猫の新しい家族を探すことにしました。すると、彼の写真に一目惚れをしたという家族が現れました。初めて会った家族に子猫はすぐに打ち解けていました。保護されて数週間後のその日、子猫は新しい家族のもとへ旅立って行ったのです。

家族のパパが、彼にガスガスと名前を付けてくれました。これから家族と共に新しい生活を始める彼に、パパは歓迎の意味で愛情を込めた名前を考えていました。ガスガスは家族のもとでとても大事にされて元気に暮らしています。
ガスガス、あなたを救い出したボランティアの人や、頑なだったあなたを見守り続けた施設のスタッフは今のあなたをとても誇りに思っているのよ。