野生の子猫は、吹雪の中で偶然見つけた窓枠の上の毛布に寒さから逃れようと潜り込んでいたのでしょう。しかし、毛布が雪で濡れていたために毛布ごと凍ってしまったと思われました。子猫はとても危険状態でした。

子猫の身体はとても冷たく、全く動こうとしませんでした。施設の獣医師のひとりは子猫の体を温めるために電気毛布を子猫の下に敷きました。そして、温めた水分を与えて脱水状態を改善しようとしていました。すると子猫の体温が上昇し始め、ゆっくりではありますが子猫が反応し始めたのです。

子猫は生後8~10週でとても痩せていました。彼女の耳の先には明らかに凍傷の兆候が現れていました。獣医師は子猫の容体の急変に備え、 一晩中子猫の側に付き添っていました。
翌朝、目を覚ました子猫は自分で立ち上がり早速鳴き始めていました。

子猫は自分のケージへ連れていかれるとき、よく歌うように鳴いていました。それをとても気に入っていたようです。施設の養育スタッフのひとりが子猫にエルサと名前を付けました。そして、エルサは彼女が飼い主を探せる時期が来るまで、里親のステファニーさんの自宅でお世話をすることになりました。

ステファニーさんの家に移されたエルサは、ウエットフードを好んで食べるようになり、少しずつ元気を取り戻していました。ステファニーさんはエルサに毎日サプリメントと薬を与える必要がありました。エルサはステファニーさんに愛情を注がれ、温かい部屋の中でステファニーさんに甘えることができました。

エルサは回復してきたものの、ステファニーさんの自宅の中でも最も温かい部屋で過ごしていました。その部屋には、ステファニーさんが以前から飼っていたハリネズミが先に住んでいて、エルサは一日中ハリネズミと一緒に過していました。『ええ、何も問題はありませんよ。』

ステファニーさんは、『エルサはとてもフレンドリーな子です。私の手をエルサの頭で擦ったり、彼女の小さな手と足で私の手を揉むのが大好きなようなんです。』目を細めてそう話していました。エルサは、荒れ狂う吹雪の中でその命を持ちこたえ、今、あたたかな部屋の中で完全に賦活しつつありました。

エルサが発見されて数週間が経った1月25日、エルサを引き取りたいという家族が現れました。エルサの新しい弟ピノを飼っているルセロさんの一家です。彼女たちはインターネット上で紹介されたエルサの記事をみて、彼女を引き取ることを決心したそうです。エルサは週末の28日にルセロさん一家のもとへ旅立ちます。エルサはもうひとりぼっちで震えることは決してありません。彼女の周りには何よりも温かな家族がいるからです。