この写真がメリッサをアインシュタインキャットとして有名にした写真です。メリッサはスコティッシュホールド。猫が舌を出しているのは前歯が抜けている場合もありますが、メリッサの前歯はちゃんとありますよ。この写真を投稿すると、丸い大きな目としまい忘れたような長めの舌が、あのアインシュタインの写真に似ていると大きな反響を呼びました。

メリッサは私が飼っている数匹の猫のうちの1匹です。2015年に生まれ、ほかの猫と変わらず順調に成長していると思っていました。しかし、彼女が小さい頃、鞄で遊んでいたときのことでした。彼女はいつの間にか足を骨折していたのです。すぐに病院で治療を受けたのですが、2か月後に再び脚を骨折、さらにその2週間後にも足を骨折してしまいました。

詳しい検査の結果、獣医師に告げられたのは骨軟骨異形成。遺伝子の作用で骨の形成が不完全なために様々な症状が出る病気です。メリッサの場合、この病気が原因で足を骨折しやすいのだと言われました。根本的な治療法がなく対症療法に頼るしかありません。すでに何度も手術を受けたメリッサは、今後も骨折する可能性が非常に高くその治療費は決して安いものではありません。

私を心配してくれたのでしょうが、担当した獣医師から衝撃の言葉を聞くことになりました。そして、その言葉はその後何度も聞くことになったのです。彼らは『治療費だけでなくあなたの時間と労力に大きな負担がかかります。私は安楽死をお勧めします。』獣医師たちはそう言いました。その言葉に私は大きなショックを受けました。

4度目の骨折の際、メリッサはしびれを伴いとても危険な状態に陥りました。このときの獣医師も以前の獣医師たちと同じことを私に勧めました。さらにそのとき、獣医師はメリッサのふたつあるべき腎臓がひとつしかないことを発見したのです。メリッサは出産の可能性を失ってしまいました。

メリッサは獣医師たちの言葉から逃れようと、希望をもって私を見詰め鳴き続けていました。メリッサは決して失望することは無かったのです。私は、メリッサの人生のために戦う決心をしました。しかし、メリッサの治療を引き受けてくれる獣医師はなかなかいません。そのため、獣医師を次々に変えることになり、私はメリッサのために自分で注射を打つ技術を学びました。

メリッサの写真をたくさんの人に見てもらえるようになっていましたが、誰も知らないところで私とメリッサは毎日戦っていました。そして、私はこう考えるようになったのです。メリッサが病気と闘う現実をポジティブに使えないだろうか、メリッサと同じように病気と闘っている人に伝えられることがあるのではないか、と。そのために、私はメリッサの写真をたくさん撮り続け、SNSに投稿することにしました。

8月2日に投稿したメリッサです。メリッサは私が彼女を傷つけることができないことを知っているので、撮影中はとても協力的です。
私は、ペットが病気や障害を抱えていてもすぐに諦めないで欲しい、それが共に生きると決めた飼い主の責任だと思っています。嬉しいことに、メリッサの現実を知ったたくさんの人達が、私たちへメッセージを返してくれています。私はこれからも撮影を続けていきます。今日のメリッサはどんな表情をするのでしょうね。