保護された猫が到着したとき、スタッフのほとんどが唖然としていました。私たちが知る限り、この施設に過去10年間こんなに大きな猫が来たことはありませんでした。これだけの体格をもつ猫は、十分にご飯が食べられる環境にいたと考えられたので、施設のFacebookにに写真を投稿してこの猫を探している飼い主がいないか確かめることにしました。

スタッフは猫のベッドを決めるところで頭を抱えることになりました。猫用のケージに彼は入ることができません。犬用のケージに連れて行ったのですがそれでも窮屈です。仕方なく、スタッフの休憩室に連れて行きました。すると猫は、備品のストックを置いている木製のキャビネットに横になりました。『良かった!そこならゆっくりできるわね』スタッフたちは彼のために休憩室を明け渡したのです。

すると4日後の金曜日には、SNSが大変なことになっていました。猫についてのコメントが1,700件を超え、彼の動画は12,000回共有されていました。中には『その猫は本物なのか?』とあまりの大きさに猫の存在に疑いを持つ人もいました。でも、彼の飼い主だと名乗る人は現れませんでした。

いつの間にか猫はMr.ハンサムと呼ばれるようになりました。Mr.ハンサムは積極的に甘えてくるタイプではありませんが、とてもフレンドリーです。スタッフは皆、確かに彼はかつて飼い猫だったと感じていました。SNS上では彼を引き取りたいという人が次第に増えていきました。

メディアでも取り上げられたMr.ハンサムでしたが、結局飼い主は見つかりませんでした。引き取りたいという方がたくさん増えた一方、彼の引き取り手を決めるにあたり私たちは厳しい審査が必要だと考えていました。Mr.ハンサムは3~5歳。重すぎる体重は彼の健康を損なう可能性があり、すでにMr.ハンサムの関節は悲鳴をあげつつありました。新しい家族には、Mr.ハンサムの健康管理がきちんとできる方が望まれました。

そして、Mr.ハンサムの新しい家族に決まったのはアンジェラさんの家族でした。決め手になったのは、彼女の家で飼われている猫のスポックでした。アンジェラさんが引き取ったときのスポックは体重が9.5kgの肥満でしたが、アンジェラさんが食事を管理し現在まで5.2kgをキープし続けていました。7月29日、こうしてMr.ハンサムは施設を離れ、アンジェラさんのもとへ旅立ちました。

アンジェラさんは15歳の息子さんと暮らしています。Mr.ハンサムは施設にいる間に13kgまで体重を落としていましたが、アンジェラさんは『私にはMr.ハンサムがとても哀しそうに見えます。私は彼が健康になる手助けをしたい、彼は健康に値します。』そう話しています。もうしばらくしたら、Mr.ハンサムに新しい名前を考えたい、彼女はそう言ってMr.ハンサムを抱きしめていました。