駐車場で発見したとき、猫はノミに覆われ足には感染症があり、腎不全の影響で貧血状態でした。体重は約3kgしかなくガリガリに痩せていました。病院で治療を始めスタッフが協力して猫の看病にあたりました。猫が健康を取り戻したとき、私たちは猫を手放せなくなっていました。

私たちは猫をビリーと呼び、病院で飼うことにしました。ビリーは病院の中で一日を過ごし、受付カウンターで来院する患者やその家族と触れ合っていました。

ビリーが病院で暮らすようになって3年、彼は16歳になっていました。この病院でなくてはならない存在となったビリーに、信じられない出来事が待っていました。2016年4月、ある親子が偶然この病院にやってきました。父親はビリーを見るなり顔色を変え、受付のスタッフにこう言ったのです。『まさかとは思いますが、その猫は行方不明になったうちのタッフォーにそっくりなんです。』

その親子の話によると、2000年家族は双子の猫を飼い始め、そのうちの1匹が2013年の8月に突然姿を消したと言います。いろいろ手を尽くして探したそうですが、タッフォーは見つからなかったのだそうです。

スタッフと彼らは、ビリーとタッフォーが水を飲むときに見せる特徴的なクセが共通していることを確認していました。しかし、何よりもビリーの様子が変わったのです。親子の存在に気付いたビリーは、受付のカウンターの上に上がりさかんに鳴いたのです。それまでビリーはカウンターの上に一度も上がったことはありませんでした。

その夜、双子のコットンをビリーと会わせてみることにしました。彼らが一番分かるはずです。すると、彼らはすぐに駆け寄りお互いの匂いを嗅ぎ合って、それから離れなくなったのです。仲の良かった双子の兄弟が3年ぶりに再会を果たした瞬間でした。

この病院からビリーがいなくなることをスタッフの誰もが残念に思っていました。しかし、ビリーには愛する家族と兄弟が待っていたのです。ビリーは再びコットンと共に家族のもとで暮らし始めました。

この病院にかかった1本の電話をきっかけにビリー、いやタッフォーは再びコットンに会うことができました。タッフォーとコットンは今年17回目の誕生日を迎えます。私たちが願うのは、仲のいい兄弟がいつまでも元気でいてくれること、それだけです。