彼の名前はケヴィンといいます。私が彼と出会ったのはケヴィンが生後4週の小さな子猫の時でした。動物病院で受けた診断は水頭症。主に遺伝性の病気で何らかの理由で脳や脊髄の周りを循環している脳脊髄液の量が増え、脳を圧迫するために様々な症状を伴う重い病気です。

ケヴィンの場合、視覚障害と聴覚障害があります。でも、小さかったケヴィンはとても元気でした。たとえ半年しか生きられないとしても、私が愛情を注いでケヴィンに精一杯楽しんでもらおう、そう思って家族として一緒に暮らすことにしました。

ケヴィンは治療を受けながら普段は普通の子猫と変わらずに過ごしました。きゃしゃな身体に大きめの顔がとても可愛く思えました。ケヴィンは水頭症の影響で視力と聴力のほとんどをなくしてしまいましたが、とても元気でした。心配された発作が起きることもありませんでした。そして、余命と言われた半年が過ぎても元ケヴィンは元気なままでいてくれたのです。

ケヴィンは水頭症の影響で普通の猫よりひとまわり小さな体をしています。でも、普段の生活で聞こえない不自由さも、見えない不自由さもケヴィン自身は全く気にしていない様子です。ただ、庭に出るときは気を付けてあげないといけません。何かにぶつかって簡単にケガをしてしまいまいます。

私は以前からカービーという12歳の猫と暮らしてきました。ケヴィンにとってカービーは兄のような存在、カービーにとってケヴィンはかわいい弟です。彼らは本当に仲がよく、こうやって抱き合ってじゃれています。

私はケヴィンの表情豊かなところが大好きです。大きく真ん丸な目をして喜んだかと思えば、目を閉じてちょっと間抜けな顔でリラックスしているときもあります。ケヴィンの楽しい、嬉しい、怒ってる・・・彼の様々な感情がその表情に現れています。

こうして、ケヴィンは4度目の誕生日を迎えました。この4年間、最も心配された発作は一度も起こりませんでした。ケヴィンは毎日を楽しみ、そんなケヴィンの様子に私は幸せを感じ、私たちの積み上げた幸せが、奇跡のような現在を導いてくれた気がします。

ケヴィンの治療はこれからも続きます。ケヴィンと私たちは今まで通り、ひとつひとつ大切な時を積み重ねてケヴィンと一緒に楽しんでいきます。ケヴィンが生きることを楽しんでいる限り、奇跡は起こり続けると信じています。