私とダッチェスの出会いは偶然でした。たまたま訪れていたマイヤー獣医師が働く動物病院でダッチェスは顎の治療が始まったばかりでした。痛々しい姿のダッチェスは悲しそうな表情でしたが、ダッチェスは生きることを諦めてはいませんでした。私は、そんなダッチェスに魅かれ、毎日のように会いに行きました。

ダッチェスは交通事故に会い、瀕死の状態だったところを保護されて動物病院に運ばれました。彼女が助かる確率はとても低かったそうですが、ダッチェスを担当したマイヤー獣医師は、彼女の治療に専念し仕事が終わると自宅に彼女を連れ帰ってお世話をしていたそうです。

顎の変形は残りましたが、1~2年後に修復手術の可能性を残し、ダッチェスは普通の生活を送れるようになりました。すると、マイヤー獣医師が私にこんなことを言ったのです。『クリスタルさん、あなたがダッチェスの家族になりませんか?』思ってもみない言葉でしたが、私はその日にダッチェスを家族に迎えました。2015年、11月のことです。

私は特別なケアが必要なねこを飼ったことがなかったので正直不安を感じることもありました。しかし、私たち家族とダッチェスは一緒に学びながらひとつづつクリアすることができました。

ダッチェスは私の家族との暮らしにすぐに溶け込んでくれました。まるで、長い間一緒に暮らしてきた家にいるように自由に歩き回り、どこでも喜んで座りました。オモチャで遊ぶことが大好きで、つまみ食いをするのが大好きでもありました。

ダッチェスは、殆ど噛むことができないためにウェットフードしか食べられません。しかし、ダッチェスの食欲は旺盛で1日に3缶も平らげることがありました。本当に食いしん坊なんです(笑)

その後もマイヤー獣医師の治療が続けられ、ダッチェスの顎は元の状態にかなり近づくことができました。事故当時生存率20%と言われていたダッチェスは、口を開けることさえできずにチューブで食事を摂っていました。そんな痛々しい姿から想像もできないくらい、完全に回復することができたのです。

私たち家族はダッチェスとの暮らしの中でたくさんのことを学びました。私はダッチェスに、何があっても決して諦めなければ、誰にでも奇跡が起こりうるということを教えてもらった気がします。私たちは、ダッチェスの命を救いここまで回復させてくれたマイヤー獣医師と、ダッチェスを支えてくれたたくさんの人たちに心から感謝しています。