私が子猫を見つけたのは、本当に偶然としか言いようがありませんでした。私が何かに気を取られていたなら、がれきやゴミに紛れて全く気付けなかったでしょう。子猫は衰弱してじっと動かず、近づいても私に全く反応しませんでした。

私は子猫を動物病院へ連れて行きました。獣医師によると、子猫は生後2週間栄養失調になっていて、体にはノミが数匹付着していました。恐らく母猫に置き去りにされたようですが、いったいいつからあの場所に一人でいたのでしょう。私には、そのまま消えてしまうのをじっと待っているように見えました。

私は自宅に連れて帰り子猫の世話を始めました。子猫は私の家にすぐに慣れ、その回復は迅速なものでした。

私は小猫をキリと呼ぶことにしました。私は小さなキリの小さな顔がとても可愛く思えました。

次第に元気を取り戻していったキリ。彼女は何かに潜り込むのが大好きでした。ドリンクのカップや私のポーチ、何にでも頭から潜り込んでは得意げな顔をしていました。

私の家にはずっと一緒に暮らしてきた猫がいます。キリは初めて会った時から彼のことがとても気に入ったらしく、彼の後ろをずっとついて回りました。先輩猫の方もキリを可愛がってくれました。

キリと出会って3年、すっかり大人になった彼女ですが、相変わらず先輩猫に甘えています。3年前、小さなキリはひとりぼっちですべてを諦めていました。そんなキリに私が気付けたことはとても幸運でした。キリは、私にとってかけがえのない存在になりました。私はあの時の偶然に感謝しています。