その場所は玄関に上がる階段の床下で、とても狭く大人ひとりがやっと抜けるほどの入口がありました。母猫は安全な場所で子猫を育てるために、その場所を選んだのでしょう。住人の方が手を伸ばしても届かないところに子猫たちがいるために、私たちに助けを求めてきたのです。

床下にはコンクリートやがれきが散乱していて、衛生状態が悪いことを住人の方はとても心配していました。私は入口を何とか抜けることができたので、ライトで照らしながら子猫のいる場所を確認しました。どうやら子猫は4匹いるようです。一番奥のコンクリートの塊の後ろにかたまって隠れていました。

子猫を傷つけないように、少しづつ私の手の届く場所まで誘導しながら、1匹づつがれきの後ろから出すことにしました。子猫たちは怯えて盛んに鳴いていました。つかんだ子猫を入口にいる住人の方に渡しながら、最後の1匹になったときでした。

住人の方の心配は現実になっていました。子猫の目は炎症を起こし、腫れています。目を開けることができずに見えない状態でした。怯えた子猫は動けずにいたので、お尻を押してゆっくりと誘導しました。つかめるところまで来たとき、『もう大丈夫だよ』あごを撫でてあげると少し安心したようでした。

子猫の母猫は、私が到着したときからそばから離れずに子猫たちの様子を心配そうに見守っていました。母猫はとても警戒心が強く、簡単にはいかないようでした。そこで、用意したとラップを使い、しばらくして無事母猫を捕まえることができました。私たちはそのまま動物病院へ行き、子猫たちの目の治療を受けました。

施設に戻ると、子猫たちはすっかり安心したようで私たちに甘えるようになりました。4匹にはそれぞれ、キャベツ、ケール、ルッコラ、ブロッコリーニと名前を付けました。母猫はかなり怯えていたのですが、少しずつ落ち着きを見せ始めていました。彼女にはママパセリと名前を付けました。

子猫たちの目も順調に回復してきました。ママパセリは別の施設に移され、里親さんを探すことになりました。子猫たちは4匹のうちすでに3匹の引き取り先が決まっています。住人の方のおかげでママパセリと子猫たちは、安心して暮らせるようになりました。ママパセリが懸命に育てていた子猫たち、そしてママパセリ自身に幸せになってほしい、そう願っています。