南アフリカの動物保護団体TEARS Animal Rescue。私はそこのスタッフとして働いています。保護された6匹の子猫の中に、他の子猫とは明らかに外見の異なる1匹がいました。始めは、スフィンクスかデボンレックスだと思っていたのですが、DNA検査の結果は違っていました。そこで、アメリカに住むライコイ専門の獣医師ジョニー・ゴべルスに検査を依頼したところ、その猫がライコイであると判明したのです。

ライコイは2012年に新品種として認定され、その独特な外見が狼男を連想させます。ライコイの名前の由来は、ギリシャ語で狼を意味するライコスオフに由来しています。ライコイは、真っ黒な色で生まれ、皮膚が次第にピンク色に変わります。目の周り、鼻、耳の後ろ、口のまわりから顎にかけての毛が無く、被毛も独特です。ライコイがなぜ狼男のような姿をしているのかはまだ分かっていませんが、普通の母猫から非常に低い確率で生まれた突然変異だということが分かっています。

保護された子猫にはエヨーナと名前が付けられました。エヨーナは、南アフリカではじめて発見された野生のライコイです。世界でも野生のライコイはエヨーナを含めて35例しか確認されていません。エヨーナは、施設の中で最も野生猫に精通したスタッフの自宅で飼われることになりました。

スタッフの自宅で暮らし始めたエヨーナは、始めは警戒していたようですが、慣れてくるとベッドで寝ることを覚え、おもちゃで遊ぶようになりました。お気に入りは柔らかくて大きなクモのオモチャです。

エヨーナが保護されたことは話題になり、海外メディアの取材を受けたこともありました。
カメラを向けられたエヨーナは、スタッフの膝で少し戸惑っているようです。

ライコイはとても賢いところがあり、行動は慎重ですが社会的で人や仲間と信頼関係を結ぶと言われています。エヨーナは自分のペースで成長しています。そして、スタッフに飼われているたくさんの飼い猫たちと、少しずつ打ち解け始めています。エヨーナには、たくさんの猫たちにと一緒に楽しい時間を過ごしてほしいと願っています。