猫の名前はオリ―。サイトをの写真と記事を見て、100%決心したわけではありませんでした。でも、オリ―のまなざしが気になって、すぐ会いに行こうと思い予約しました。『とても攻撃的だし、懐かないと思いますよ。』シェルターの方は、あまり彼をすすめてはいませんでした。オリ―は6歳になり、そのほとんどをケージの中で身を潜めて過ごしていたそうです。

私はやはり、オリ―のまなざしが気になりました。彼をケージから出し、段ボールのキャリーケースに入れて連れて帰りました。『うまくいかなかったら、返していただいていいんですよ。』そう言われて少しホッとしました。でも、自宅に向かうタクシーの中で、キャリーケースの隙間から覗くオリーの目が、ずっと私を見ていることに気付いていました。

私は、オリ―の信頼を得るには時間が必要だと覚悟をしていました。焦らずに、彼のペースで進めるのが一番だと思いました。私はバスルームにオリーのための聖域を作りました。トイレと、毛布と、オモチャと、ご飯を置きました。そのとき、はじめてオリ―の姿をじっくりと見ることができました。彼は汚れていて、背中の毛はツヤを失くしていました。

20分ほど時間を置きました。オリ―の様子を見にリバスルームに戻ってみると、オリ―はキャビネットの間の僅かな隙間に入り込み、頑として出てこようとしませんでした。『・・・でも、私の家にいることは分かったわね?』シェルターを出てからそれまでの間、私はオリ―に威嚇されたり、攻撃される気配を感じることは一度もありませんでした。

私は、オリーに私の声や存在に慣れてもらうために、バスルームに本を持ち込んで音読を始めました。それを3週間続けました。ずいぶん長い?ええ。でも、はじめて数日後にはオリーはキャビネットの隙間から出てきました。そして最後の日にはオリーと並んで過ごすことができたんです。オリーとの信頼関係を少しずつ積み上げる感じが、案外楽しかったですよ。

オリーの私への信頼はまだ不確かなものです。撫でることを許してくれたかと思えば、彼に触れようとしたとき避けるような仕草を見せることもあります。でも、オリーは一度も私を攻撃したり、噛んだりしたことはありません。

オリーが我が家に来て数か月が経ちました。彼はこの家で愛情と信頼関係について学んだようです。遊びに来たつもりだったのかもしれないこの家が、ようやく自分の家であると分かってきたようです。オリーはソファに寝転がるのが大好きで、窓から外を眺めているのがお気に入りです。ときどき、私がオリーの隣に座ろうとすると、彼はちょっと離れて座ります。オリーの神経質な性格と、まだ緊張が残っている様子は私には面白く映ります。

私が仕事から帰ると、オリーは頭突きで歓迎し、お腹を撫でてのアピールをします。ほら、こんな感じ。
この9か月の間に、私はオリーのまなざしが『ねぇ・・・』と甘えているのが分かるようになりました。彼自身、この家でそのまなざしを覚えたのでしょうか?オリーには、まだ経験したことのないことがたくさん残っているはずです。さぁオリー、これから何がしたい?