彼女が子猫に近づいたとき、子猫はうつむいてじっと座り込んでいました。よく見ると、目に炎症を起こしているようでした。彼女に気付いた子猫がもっと近づくために立ち上がろうとしたとき、子猫の両前足が内側に向かってくの字に変形していることが分かりました。子猫は彼女のお宅で飼うつもりで保護されました。彼女は、子猫をスクーターと呼びお世話を始めました。

しかし彼女は、もしかしたらスクーターを治す可能性が残っているかもしれない、ならばもっと多くの助けが必要だと考えました。そして考えた末、私たちの動物保護団体に連絡したのです。スクーターに会った私たちは、彼が生後5週間をどうやって生き延びてきたのかを想像することができませんでした。不自由な足で十分な食事をすることはかなり難しかったはずです。しかし、標準よりかなり小さいとはいえ、彼は1匹でしっかりと生きてきたのです。

さらに、スクーターは目の炎症を抱えながら、彼女や私たちに抱かれると喉を鳴らして嬉しそうにしていました。そして、スタッフ全員と遊んでとても楽しそうでした。彼女と同じように、私たちもなんとか彼を救いたいと思いました。獣医師による血液検査とX線撮影の結果を踏まえ、今後の検討に入った頃スクーターは彼女の腕の中で眠りにつきました。

スクーターの前脚は骨に靭帯が巻き付いた状態で生まれたようです。さらに、彼の足が長かったこともあり、足の外側を使って歩いていたために骨の成長を妨げてしまったようでした。治療には理学療法で彼の足を正常な状態に伸ばし、正常な位置で動かすことに慣れさせ、その後外科手術を施すことが必要でした。しかし、スクーターはまだ小さいので時期を見ながら進めることになります。

施設には親子で暮らす母猫のエイベリーとその子猫たちがいました。今後厳しい治療を受けていくスクーターにとって、母親代わりをしてくれるエイベリーの存在がスクーターの支えになると考え、彼女にスクーターを任せることにしました。エイベリーと4匹の子猫たちはスクーターを快く迎え入れてくれ、本当の兄弟のように過しています。

エイベリーの子猫たちはスクーターより4週遅く生まれましたが、スクーターの体重は彼らとちょうど同じくらいです。まだ小さいのですが、少しづつ体重が増え、目の炎症はすっかり良くなりました。子猫たちはお互い抱き合っているのが大好きでスクーターもいつもその中にいます。

スクーターは今、自分が愛されていることを感じています。それは、これから始まる長い戦いに打ち勝つための大きな支えになるでしょう。でも、生まれてから5か月を生き抜いてきたスクーターのことです。いつかきっと走る姿をみせてくれるに違いありません。