ちょっと驚きましたが、よく見るととてもかわいい猫でした。そのまま猫はリビングに落ち着き、一向に出ていく気配を見せませんでした。『もしかしたら・・・』そう、どうやら猫は私たちの家を自分の家に選んだのだと気付いたんです。

私たちは猫をお風呂に入れ、猫の選択を尊重することにしました。私たちは猫をジュピターと呼ぶことにしました。お風呂でさっぱりしたジュピターは、友人たちが帰って行ったリビングで私たちと一緒にくつろぎ、私の腕で眠りました。

念のためにジュピターを動物病院へ連れて行きました。健康診断のつもりだったのですが、ジュピターを始めてえ見たときちょっとお腹が腫れているのが気になっていました。野良猫だったジュピターの健康状態を確認しようと思ったのです。すると、ジュピターのお腹には赤ちゃんがいると言われたのです。

数週間後、ジュピターは2匹の子猫を出産しました。グレーと黒の小さな小さな子猫が2匹、私たちは小猫の可愛らしさに夢中になりました。子猫たちにはグレーにカリスト、黒にイオ、ジュピター(木星)の衛星の名前を付けました。勿論、子猫たちはずっとママと一緒です。

ジュピターの子育ては順調でした。私たちも彼女の子育てを支えようと思いました。しかし、できることと言えば環境を整えることと、イオとカリストの遊び相手になるくらいでしたが・・・。ジュピターの母親振りは素晴らしかったのです。

イオとカリストの目が開くと、ジュピターは忙しくなりました。子猫たちは、ちょっと目を離すと探検に出ようとします。そのたびにジュピターは自分の側へ連れ戻さなければなりません。箱の中でイオとカリストはじゃれ合っています。ジュピターはすぐそばで目を光らせているところです。

子猫たちは確実に成長を遂げています。イオとカリストの探検が少しづつ大目に見てもらえるようになりました。この頃になると、ジュピターは子供たちの探検を側で見守るようになりました。

ジュピターは始めから私たちのことをよく分かっていて、ここなら安心して子育てができると考えたのでしょう。その判断が正しかったことは、今のジュピターたちを見れば分かります。私たちは幸せそうな親子の姿を間近に見ています。本当に救われたのは、ジュピターではなく私たちの方だと思っています。