子猫には、ケガの他に肺炎、両目の潰瘍、貧血、そして栄養失調と脱水症状がありました。診察したときは自力でミルクを飲むこともできないほど衰弱し、かなり危険な状態でした。スタッフは投薬のために24時間体制を敷きました。

看護を始めたとき、子猫の体重は約250gしかありませんでした。スタッフは交代で世話をしていましたが、全員が少しでも回復に向かってほしいと思っていて子猫のために祈るような気持でした。

すると翌日、子猫が少しづつミルクを飲めるようになってきました。それが励みになり、スタッフたちは24時間体制の看護を続けていました。そして、子猫をエイプリルと呼ぶようになりました。10日後、エイプリルの体重が少しだけ増えてきました。『もう少しよ、頑張って!』スタッフの祈りはエイプリルに届いています。

少し離れた場所からエイプリルの様子を心配そうに見守る猫がいました。私たちの病院で暮らしているヒューゴです。彼もまた、以前大けがをしているところを保護された経験がありました。ヒューゴはエイプリルの様子を毎日のように見に来ていました。

ヒューゴを始めスタッフに支えられたエイプリルでしたが、あまり反応を見せませんでした。しかしある朝、自分で身づくろいをする仕草を見せたのです。それはミルクを飲んだ後のことでした。

2か月後、エイプリルの容体はすっかり安定し、上気道の治療が残るのみになりました。目が開くようになったエイプリル元気を取り戻し、少しづつ遊びを覚えてきました。エイプリルはスタッフたちに囲まれてきたので、とても人懐っこい性格をしています。スタッフ全員が愛らしいエイプリルに魅了されています。

エイプリルは健康を取り戻し、保護されたときの面影はもうどこにもありません。時期を見て、エイプリルを家族として迎えてくれる里親を探す準備を始めることになりました。

そして、エイプリルははじめてのクリスマスを家族と一緒に迎えることになりました。エイプリルは今、彼女に起こったことを知り、心から愛してくれる家族のもとで幸せに暮らしています。エイプリルが果敢に闘った2か月は、今のためにありました。誰からも愛されるエイプリルには、誰よりも楽しんでほしいと願っています。