子猫は片手に乗るほど小さく、顔にケガをして頼りなく鳴いていました。私はそのまま動物病院へ向かいました。子猫は全身にケガをしていて、特に顎の傷は重傷で手術が必要でした。なぜそんな怪我をしていたのか、獣医の話を聞いて私は耳を疑いました。状況から見て、車の窓から投げ捨てられたのだというのです。私は胸が痛みました。

手術をするには子猫は小さすぎました。そこで子猫が手術に耐えられる時期になるまで、我が家で療養することにしました。子猫は顎のケガのため食事をするのも辛そうでした。栄養が不足しては回復できません。私は2時間おきにシリンジを使ってミルクを飲ませることにしました。

始めの2週間はとても不安定な状態でした。でも、子猫がお腹を空かせないように根気強くミルクを飲ませました。2週間ほどすると唇のケガがほとんどよくなり、子猫は自分からご飯に手を伸ばすようになりました。その頃を境に、目に見えて回復していくのが分かりました。そして5週間後、手術のために病院を訪れたとき獣医さんも私も驚いてしまいました。顎のケガが殆ど完治し、手術の必要が無くなっていたのです。

元気になった子猫にムームーと名前を付けました。そのまま我が家に迎えることにしたのです。我が家にはイングリッシュブルドックのペニーがいました。ペニーはムームーを自分の子供だと思ったようでした。ムームーとペニーは、まるで磁石のようにぴったりと寄り添うになったのです。

2匹は家のどこにいても一緒です。寝るときも同じベッドでくっついて寝ています。ムームーは、ペニーに可愛がってもらえるのが嬉しくて仕方が無いようです。

ムームーと出会って2か月半が経ちました。あの時あんなケガを負ったとはとても見えません。なかなかの美人さんでしょう?(笑)
ムームーは人間の残酷さを知っていますが、見事に乗り越えてくれました。私は、ムームーが動いたことに気付いた自分をほめてあげたいと思います。