子猫は生後数週で、母猫や兄弟と一緒に頑丈に蓋を閉じられたゴミ箱の中から助け出されました。恐らく、出産した母猫の世話を放棄した人間が、親子をゴミ箱に捨てたのでしょう。蓋にはダクトテープがグルグルと巻き付けられており、私たちは怒りさえ感じました。子猫は人間に強烈な恐怖を感じていたのです。

実をいうと、私たちはこの子猫を積極的に薦めてはいませんでした。捨てられたときの恐怖が子猫のトラウマになり、強い警戒心を持っていて人間に懐くのは難しいと思われたからです。
ところがマーニャは、子猫を一目見たときから何か特別なものを感じていました。『やっぱりこの子しかいないわ』彼女は子猫を引き取っていきました。

マーニャは子猫にゴミと名前を付けました。ふつう、引き取られた猫は数日で新しい生活に慣れていくものです。ゴミは違いました。私たちが心配したとおり、なかなか警戒心を解いてはくれませんでした。でも、マーニャは始めから予想していたことだと気にした様子はありませんでした。彼女は気長に子猫の気持ちを待っていました。そして数週間が過ぎました。少しづつ距離を縮めてくれたゴミの表情に、変化が現れ始めたといいます。

今ではこんなに無防備な姿でマーニャに甘えてくれるようになりました。彼女が家にいるときは、いつもそばに寄り添って過ごしているそうです。マーニャの話では、ゴミはストローが大好きで、彼女が友人とストローでソーダを飲んでいるとすぐにゴミに取られてしまうそうです。マーニャは、ゴミの素直でお茶目な個性がとても気に入っていると言います。マーニャがゴミの信頼を取り戻してくれました。マーニャとの出会いがなければ、ゴミは人間を避け続けとても孤独だったはずです。私たちはマーニャに感謝しています。