この日は嵐で、街はすっかり冠水していました。
私たちがタリンの通りに沿って車を走らせていた時でした。
マルコが通りの向こうになにかを見つけました。

『子猫だ!』
車が通ると、大きな波で水しぶきが上がります。
ビルの陰で子猫は今にも溺れそうでした。

運転していたマルコは飛び出していきました。
川のような車道を走っていき、子猫を抱き上げました。

子猫を落とさないように、慎重に車に戻ってきました。
『温めないと!』助手席の私の膝にに子猫を置いたんです。

子猫の身体は冷え切っていましたが、家に戻って温めてやるとすっかり安心したようでした。
マルコは子猫にドロップという意味のティルクと名前をつけました。
ティルクの世話をしながら、飼い主になってくれる人を探すことに奮闘しました。

幸い、飼い主になりたいという人がすぐに現れました。
飼い主になってくれたのは若い女性で、ティルクはとても可愛がられています。
私はマルコのそばで一部始終を見ることになりましたが、ちょっといい話でしょ?