猫はスウィーティーと名付けられました。保護されてすぐ、口を復元する手術が施されました。合計35針を縫う大手術でした。
スウィーティーはとても痩せていましたが術後、激しい痛みに耐えながらたくさんご飯を食べ、少しずつ回復しました。
施設の人たちは、スウィーティーの生命力に驚かされました。

そして、数日後。さらに施設の人を驚かせることが起こりました。
スウィーティーが出産を始めたのです。そして、60gほどの小さな小さな子猫を出産しました。
スウィーティーがとても痩せていて、子猫が1匹だったため施設の人たちも妊娠に気付けなかったのです。

子猫はとても小さかったので、生き延びる保証はありませんでした。しかし。
もしかしたら、スウィーティーは子猫のために激痛に耐え、頑張ってきたのかもしれません。
職員の人たちは、スウィーティーを支えるため24時間体制で子猫の世話を始めました。
栄養失調でお乳の出ないスウィーティーに代わり、職員が交代で注射器を使ってミルクを与えました。

スウィーティーは始めから素敵なママでした。スウィーティー自身がまだ回復までの過程であるにもかかわらず、彼女にできるすべてのことを子猫にしてあげていました。
生後10日を越えた頃。担当医師の名前から子猫にジャックスと名付けられました。ジャックスもママの愛を一身に受け、小さかった体は少しづつ着実に成長してきました。生命力の強さはママ譲りのようです。

ジャックスが5か月を迎えました。まだ小さいのですが、元気に成長を続けています。
スウィーティーも2度目の口腔手術を受け、殆ど完治に近い状態になりました。体重が3600gを超えて、施設の人たちは喜んでいました。保護されたときのスウィーティーはこの半分の体重しかなかったのです。そして、スウィーティーが推定8~10歳であることも分かりました。

ママの愛情を浴びるように受けているジャックスも、ママが大好きで片時もそばを離れようとしないそうです。
過去に壮絶な経験をしたスウィーティー。子どもの命を守り抜き、愛情を注ぎ続けてきました。
親子があたたかな家族と巡り会えるよう祈らずにはいられません。