デクスターは、人生の殆どを外やシェルターで過ごしていました。ほかの猫とうまくやっていくことを嫌い、常に孤独に過ごしていました。一方、ウィリアム家のジルさんは、長年動物シェルターで働く2児の母です。5歳のJJが、猫を飼いたがっていたのでシェルターで子猫を探していました。

たくさんのかわいい子猫がいる中、ジルさんが気になったのは痩せた老猫のデクスターでした。ジルさんは、子猫なら引き取り手がすぐに見つかることを知っていました。しかし、年を取ったデクスターは・・・。デクスターに愛情の中で過ごす時間を持ってほしいと、彼を連れて帰ることにしました。ちょうど空いていた部屋をデクスターのために使い、そこでゆっくり過ごしてもらおうと考えていました。

自宅に戻ったジルさんは、夫のスティーブさんと二人の子供を呼び、デクスターを紹介しました。JJはデクスターを見るなり、大喜びでした。7歳のハリーもとても気に入ってくれました。ふたりの息子たちは、デクスターをいたわることが重要だと十分理解しているようでした。ジルさんの予想を裏切り、デクスターはすぐに家族に打ち解けることができました

ジルさんの家には、マラミュートミックスやシベリアンハスキーなど4匹の大型犬が飼われていました。ジルさんは、デクスターが犬達とうまくやっていけるかも心配していました。それも取り越し苦労だったことがすぐにわかりました。タイミングを見て犬達と対面させたときでした。

マラミュートのフローラがデクスターに近付くと、すぐにお互いに鼻をくっつけ合って挨拶がはじまったのです。ペットが集まると、真ん中にいるのはいつもデクスターでした。犬たちは常にデクスターを見守り、デクスターは初めての家族として彼らに愛情を注いでいました。

デクスターは、毎朝4時半になると大きな声で鳴いてご飯を催促しました。彼は何かおねだりするとき、目的のものを手に入れるまで鳴き続けました。彼はとても遊びが好きで活発でした。引き取られたころは痩せて毛並みも荒れていましたが、家族の中で過ごすうちにとてもきれいになりました。

家族に甘えるのも大好きで、特にJJにとっては親友のような存在になりました。JJは一日の大半をデクスターと一緒に過ごすようになっていました。デクスターが甘えているのか、JJが甘えているのか分かりませんね。

2016年10月21日。デクスターは家族に見守られながら永遠の眠りにつきました。しばらくの間、ジルさんは撮りためた写真を見ながら涙を流す日々を過ごしたそうです。しかし、家族が共有するデクスターとの思い出を集まって語り合ったとき、家族の中に彼が生き続けていることに気付いたそうです。
デクスターにとって、ウィリアムさんの家は最高の楽園であり、彼らとの暮らしは人生最高の2年間でした。