3匹はみんな茶トラの猫なんだ。中でもヘイズはシャイな子で、毎日通ってくれるようになっても、2m以内に近づこうとしなかったんだ。ボクの口笛を合図に、ときには友達を連れて、うちでご飯を食べていたんだ。

僕はもっとヘイズと仲良くなりたくて、シェルターを作ったりもしたんだ。それでもヘイズはなかなか警戒心を解いてくれなくて、触られるのを嫌がっていたよ。僕らは無理をせず、ヘイズを尊重して心を開いてくれるのを待つことにしたんだ。

妻のリリーは、ヘイズによく鶏肉をあげていたんだ。鶏肉はヘイズの好物なんだけど、あるとき、いつものようにリリーが鶏肉をあげていると、ヘイズが近づいて来たんだ。やっと警戒心を解いてくれたんだね。それからは距離を置かなくなって、僕らに甘えるようになってくれたんだよ。

僕たちには夢ができたね。いつかヘイズと一緒に暮らすという夢さ。でも、そう簡単にかなう夢でないことはすぐに分かったよ。警戒心がなくなったとはいえ、ずっと外で自由に生きていたヘイズは、なかなか家に入ろうとはしなかったんだ。

それから1年が経った頃、僕らはヘイズの異変に気が付いた。食欲はあるのに、体重が減っていたんだ。動物病院へ連れて行くと、お腹に寄生虫がいることが分かって、駆除のために僕らの家で療養することになったんだ。数日で寄生虫はいなくなったんだけど・・・ヘイズは僕らの家を気に入ったようで、外に戻ろうとはしなかったんだ!

僕らの家族になったヘイズは、野良猫の面影がすっかりなくなって、お気に入りのマットで過ごし、毎晩ベッドの上で寝ているよ。うちには他にも数匹の猫がいるけど、彼らともうまくやっているしね。
ヘイズの信頼を得るのに3年、家族になりたいという夢をかなえるのにもう1年。ずいぶん時間がかかったけれど、僕らは幸せにやっているよ。