外猫問題の現状

確実に減少はしていますが、外猫の数は把握できていないのが現状です
ネコノミクスと呼ばれる空前の猫ブームの影で、取り上げられることが少ない負の側面。年間に殺処分される猫の数は10万匹以上というデータがあります。個人や保護団体、行政の取り組みによって減少傾向にはありますが、地域によって温度差もあり、猫ブームがかえって捨て猫の数を増やしてしまうことも懸念されています。
キャットフードの品質向上によって猫が多産になっているとも言われています
殺処分されるのは、ほとんどが外猫の子猫。妊娠可能な雌猫が1匹いるだけで1年後には80匹、数年後には万単位になってしまうという試算もあるくらいです。実際にそこまでになることはありませんが、捨て猫などが繁殖していくことで糞尿など地域で問題が生じ、その果てに保健所に持ち込まれてしまうのです。 

TNR活動とは

本当はReturnはしたくないのですが・・・
その現状を少しでも変えようと、まず外猫の繁殖を制限しようと考えだされたのが「TNR活動」です。「T」は「Trap」(トラップ)の頭文字で猫を捕獲すること。「N」は「Neuter」(ニューター)で不妊手術、「R」は「Return」で猫を元の場所に戻すこと。その3つの頭文字をとって「TNR活動」と呼ばれています。即効性はありませんが、長期的には猫を減らすことに有効な取り組みで、個人や保護団体によって積極的に取り組まれています。

さくら耳カット

女の子は避妊の「ひ」で左耳をカットするとか
TNR活動で大事なことは手術を受けた猫を判別できるようにすること。そのために行われるのが猫の耳先カットです。目印をしないと2度も猫を手術や麻酔のリスクにさらすことになるため考えだされた方法です。出血もほとんどなく、麻酔中に行うので猫への負担はありません。その形が「さくらの花びら」のように見えることから「さくら耳カット」と呼ばれています。

地域の人との協力

説明会

コミュニーケーションが第一です
TNR活動を個人で行うことは物心両面でかなりの負担があるのであまりおすすめはできません。まずは地域の保護団体などに相談したり、ボランティア活動に参加するなどして経験とネットワークを作りましょう。また忘れてはならないのが地域の人の協力です。その地域に戻すので、トイレの問題などは継続の課題になります。地域全体で長期的に見守る体制を作ることが大事です。

猫好きな人こそ要注意

安易な餌やりはよくありません
地域には猫嫌いの人もいますが、きちんと管理するよう話し合いをすれば最終的には納得し、人によっては協力してくれるようにもなります。より警戒をしないといけないのは無計画に猫をかわいがる人です。家に来る猫に餌を与え続け、トイレは外でさせ近所に軋轢を生み、かわいそうと言って避妊手術には反対する・・・一つの地域に猫が異常に増える場合はこのような人がいる場合が多いです。きちんと説得し、理解して貰う必要があります。

行政などの支援も活用しよう

一人で考えこまず色々調べてみましょう
現在では殺処分の問題を真剣にとらえる行政も増え、避妊手術に助成金を出してくれる市町も増えています。実際に行動に移す前に、保護団体や獣医さんにも相談してみましょう。地域を限定せず全国的に助成を行っている団体もあります。

先進的な事例として「ふるさと納税」を活用して、保護シェルターを建設した団体もあります。

TNR活動の具体例

2巻も2016年5月に発売予定♪
TNR活動を始めてみたいという人におすすめなのが『猫絵日記』という漫画。鈴尾粥さんという女性が、たった一人でTNR活動を始める様子がわかりやすく描かれています。猫を保護する上で、心がけないといけないこと、大変なこと、つらいこと、そしてそれ以上に楽しいことを教えてくれます。

さいごに

すべての猫たちが幸せになりますように
TNR活動は外猫を地域に戻すため、効果があらわれるには根気が必要です。また不幸な外猫が増えないように、ペットショップなどでの安易な販売をを規制したり、動物と暮らすための社会教育も必要です。最終的には、外猫を保護するシェルターを造り、動物を飼うにはシェルターから、というように世の中が変わっていく必要があると思います。社会が少しずつ猫にとってより良い方向に変化していくために、まずは身近な地域のTNR活動を始めましょう!