究極VS至高:ねこまんまをテーマにした料理対決

社主室に、山●と栗○が呼ばれる

典型的なねこまんま
コンコン
大▲社主「入り給え」
山●「失礼します。大▲社主。で、ご用件ってなんですか」
大▲社主「今回お前たちを呼んだのはほかでもない。今回、究極VS至高の料理対決のテーマが決まったんだ」
山●「何ですって!」
大▲社主「今回は、『ねこまんま』に決まった」
栗○「まあ、あのご飯に鰹節やお味噌汁をかけるあの『ねこまんま』ですか?」
大▲社主「そうだ。一見下衆な料理ではある。しかし、実は案外歴史は古い。一説には1000年以上前から存在していたものだと言われている」
山●「戦国時代、関東を治めていた北条氏について書かれている書物の中にその記載がありますからね」
大▲社主「そうだ、氏康が子供の氏政の飯に味噌汁をかけるやり方見て嘆いたという話だな」
山●「ええ、そうです」
大▲社主「そう、昔から日本で愛されてきた、言うなれば伝統的な食べ方だ。しかし、現在この飽食の時代、『ねこまんま』は死語になりつつある」
戦後まもない食事風景
栗○「まあ、そういえば最近『ねこまんま』って聞きませんね」
山●「この飽食の時代に、そんな貧乏くさい食べ方は必要なくなったということさ。しかし、貧しい時代に飯をうまく食べるために工夫された素晴らしい食べ方だと思う」
大▲社主「さよう。昔は飯を食う時のおかずがなかった。特に戦争が終わった後、みな『ねこまんま』を食べて飢えをしのいだものだ。しかし、飽食の時代になったからといって、このまま『ねこまんま』という文化がなくなってしまうのは実に惜しいと思ってなあ。そこで今回、『ねこまんま』がテーマになったわけだ」
栗○「分かりました。じゃあ山●さん、頑張って究極の『ねこまんま』を作り出しましょう」
山●「ああ、そうだな」

山●、栗○、『ねこまんま』について話をしている。

カツオぶしのねこまんま
山●「まずは基本的な話からしないとな」
栗○「そうね、『ねこまんま』って何って言われると案外言葉では言い表せないわ」
山●「まずは、『ねこまんま』は東西で全く違うんだ。関東では飯に鰹節をかけ、醤油を垂らしたものを指すが、関西ではご飯に味噌汁をかけたものを主に指す」
栗○「そういえば、学生時代に出会った関西出身の子が同じようなことをいっていたわ」
山●「地域性がでる食べ物なのかもしれない。北海道では、鰹節の上にバターを乗せて食べる習慣がある」
栗○「まあ、なんにでもバターを乗せるのね」
山●「そう、飯の上に乗せるものはなんだっていいということだ。しかし、この時点で言えることは2つある」
栗○「まあ、2つも?」
山●「一つは『飯の上に乗せるものは安い食べ物でないといけない』、もう一つは『手早く作れないといけない』ということだ」
味噌汁のねこまんま
栗○「確かに、関東、関西両方ともその基準に達しているわね。けど、この二つだと今の時代に特別食べたいものにはならないわね」
山●「それともう一つある」
栗○「えっ、まだあるんですか?」
山●「ああ、それは『ネコも食べられる』ということだ。元々の『ねこまんま』の意味は文字通りネコのエサという説もある位だからな」
栗○「そういえば、そうですね」
山●「しかし、玉ねぎが入った味噌汁入りの『ねこまんま』を与えてしまい、ネコがたまねぎ中毒を起こしたということなど、ネコが食べられない食べ物を間違ってあげてしまうことが多かった。加えて、簡単に与えられ、しかも栄養価も安定しているキャットフードの普及でネコに『ねこまんま』をあげる光景はみられなくなっている。」
山●「しかし、ネコも人間と同様、色々なものを食べたいはずさ」
栗○「そうね、私がネコだったら、キャットフードに飽きてしまうわ」
山●「そうさ、だから最高にうまい『ねこまんま』を俺たちが作らないといけないってわけさ」

山●と栗○、色々な『ねこまんま』を食べる

卵とネギのねこまんま
山●「まずは色々な『ねこまんま』を食べてみよう」
栗○「まあ、これは生卵とネギが入っているわ」
山●「確かに、これは簡単に調理できてなおかつうまい。しかし、生卵とネギはネコは食べられないんだ」
栗○「そうか、ネコが食べられないんじゃしょうがないわね」
いくらのねこまんま
山●「次にある料亭で出されているこれだ」
栗○「まあ、いくらがのっていて豪華だわ」
山●「味は問題ないだろう。いくらを食べるネコもいるそうだ。しかし、値段の面で厳しい。あくまで『ねこまんま』は庶民が毎日食べても問題ない位安いものでないといけない」
栗○「そうね、これだと毎日は食べられないわね」
シラスのねこまんま
山●「後はこれだな」
栗○「まあ、シラスね。これだと問題ないんじゃないかしら」
山●「だめだ。確かに味は問題ない。人間が食べるのにも問題ない。しかし、シラスの塩分はネコには多すぎる。しかも、シラスは昔ほど安いわけじゃない。結構今じゃ高くなっている」
栗○「まあ、これでもだめなんですね」

山●「今じゃ、魚介類は生で食べるとネコに悪影響を及ぼすものが多いのに加え、案外安い蛋白質ではない。逆に現在だと肉の方が安い位だ」
栗○「けど、肉だと焼かないといけないから、すこし手間がかかってしまうわ」
山●「たしかにそうだ。しかし、今は冷蔵庫と電子レンジがある。大量に作って冷蔵庫に保存し、必要な時に電子レンジで温めるという方法であれば、手間はあまりかからない」
栗○「確かに、今一週間分の食事を休みの日に一気に作る人もいますからね」
山●「よし、肉を中心とした『ねこまんま』を製作するぞ」

究極VS至高 対決当日

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至高のメニュー:鶏ひき肉とブロッコリーのねこまんま
審判「それでは至高のメニュー側からどうぞ」
雄△「うむ、本来ならばネコ畜生に食わせる飯をこの雄△がなぜ作らなければならないのかと思ったが、戦中戦後の日本人が試行錯誤し工夫に工夫を重ねた『ねこまんま』という食べ物ということであえて勝負を受けてやることにした」
山●「ちっ」
雄△「そしてこれが私が考えて至高の『ねこまんま』だ」
山●「何!」
栗○「これは!」
雄△「鶏のひき肉を使った『ねこまんま』だ。ひき肉を炒め、かつおだしを入れ、細かく刻んだブロッコリーを入れ、卵でとじたものをご飯にかけたものだ」
山●「確かに、材料費も安く、作り方も簡単だ。しかも、ネコに害があるものが入っていない」
栗○「しかも、これ、おいしい」
雄△「鶏のひき肉は肉の中でも安い。100グラム59円で買える店もある。しかも、ひき肉であるから、小さいネコでも食べやすい。かつおだしをいれることでうまみを存分に出し、塩、醤油などをあまり入れなくても十分味を感じられるものにした。卵は生だとネコによくないので、火は十分に通してある。ブロッコリーを刻んだものをいれることで、ビタミンと繊維質を補った」
栗○「猫に悪いどころか、健康的に素晴らしいものだわ」
山●「くそ、ネコの配慮が行き届いたすごい『ねこまんま』だ。まさに至高のメニューだ」
雄△「ふふふ、お前にこれ以上のものが出せるかな」

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究極のメニュー:牛ひき肉と豆腐のねこまんま(人間用)
審判「続いて、究極のメニュー側、どうぞ」

山●「うちが考えた『ねこまんま』はこれだ」
雄△「むっ」
山●「こちらは牛のひき肉を使った。しかし、ひき肉とはいえ、牛だと高い。よってそこに豆腐を入れることにした。豆腐はタンパク質も豊富でしかも柔らかいからネコが食べやすい」
雄△「ははは、バカめ。お前の『ねこまんま』には玉ねぎとおまけに香辛料まで入っているではないか。これではネコが病気になってしまうわ!」
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究極のメニュー:牛ひき肉と豆腐のねこまんま(ネコ用)
山●「ふ、これは人間用だ。ネコ用のものにはそれらの食材は入っていない!」
雄△「なに、人間、ネコと別々のものを作っただと」
山●「そうだ。まずは牛のひき肉と豆腐を炒める。この炒めたものを少量のご飯の上に乗せたものがネコ用の『ねこまんま』だ。そして、残ったものに、玉ねぎを炒めたもの、水をいれ、醤油、味噌、コチュジャン、ゴマ、ニンニクを入れて少し煮る。出来たものが人間用の『ねこまんま』になるわけだ」
雄△「しかし、これではネコと人間が別の食べ物をたべるということではないか」
山●「確かに、厳密には違う。しかし、全く同じものを食べる必要はない。人間で言えば、家族にネギアレルギーの者がいるから、家族全員がネギを食べないというのはおかしい。家族全員の食生活をその者のせいで貧しくさせる必要はない。ネコも一緒だ。ネコが食べられるものを作り、そのうえで人間しか食べられないものを加える。そうすることでネコ、人間両方とも楽しめる食事ということになる」
山●「しかも今回の調理法では、ネコ用、人間用と別々につくるがそのための手間というのは全くないと言っていいだろう」
雄△「ぐぬぬ…」

審判「それでは、審査結果を発表いたします。」
栗○「まあ、どっちが勝つのかしら」
審判「至高のメニュー側の料理は安価な材料でネコの健康を考えた素晴らしい料理である。しかし、かつおだしを使うなどいささか料理に多少手間がかかることを予測せざるを得ない。一方究極のメニュー側の料理は調理法に工夫を置き、人間とネコ両方が満足できる料理を作ったことは評価できる。確かに、玉ねぎがない食生活は厳しいものがあるし、調理手順で無駄がない。しかし、ネコに対して不健康ではないが、ネコに対する気配りという意味では至高のメニュー側に劣ると言わざるを得ない」
審判「よって今回は両者引き分けとする」
栗○「まあ、引き分け...」
雄△「ふん、クビの皮一枚残ったな」
山●「ふん、次回こそ決着をつけてやる」

こうして、究極VS至高の『ねこまんま』対決は引き分けに終わり、『ねこまんま』のメニューに新たな品が2つ加わりましたとさ。
あとがき

究極、至高のねこまんま、共にもともとウチがイヌ、ネコ用に作っていたエサをアレンジしたものです。肉に加えて豆腐、おから、キャベツ、などを加えていました。ネコは小さいため、エサは細かくして食べやすくした方がいいですね。後、アツアツを上げると嘔吐してしまう場合がありますので、常温で冷めた状態であげると良いでしょう。